だから僕はバンドをやめた
もくじ
はじめに
バンドをやめました
この記事は、奈良高専 Advent Calendar 2021の25日目の記事です。
皆さん今、こいつ誰だって思っていますよね?
ということで、簡単に自己紹介をします。
私は去年に某М高校から情報工学科に編入してきました。(現5年)
H.Nは「Bell」です。
青鳥電子掲示板のアカウントはいっぱいあるんで、気に入った奴だけでもフォローしていただけると泣いて喜びます。
本垢
音楽垢
タイトルから推測できるかもしれませんが、高校時代は軽音楽部に所属しており(一応幹部)、ギターとベースを弾いていました。(趣味で鍵盤とドラムもシバいてます)
今回はそんな私の音楽人生(自分語り)に沿ってなぜ僕がバンドをやめたのかをご説明していきますね。
幼少期(小学校に上がる前)
まず、いま音楽活動をしている(不定期すぎて活動と呼べるかわからないが)きっかけが幼少期にありました。
幼少期に遊ぶおもちゃでよくあるちゃっちいピアノ、あの「アンパンマンピアノ」的な奴、ありますよね。私自身は記憶にないのですが、そのピアノを買い与えられたときに私は、CMの曲やよく聞く音楽を耳コピして弾き始めたらしいです。
母親はその光景に感動し「この子は天才」「ピアノ教室にぶち込もう」と騒ぎだしました。(親なんて大体こんなもんでしょ)
そして、casio の88鍵の電子ピアノ(まあまあガチな奴)を買い与えられたのですが、当時の私は「ピアノ教室は女の子がいくところ!」と泣いて反対し、結局教室には通わずにピアノもほとんど弾かれないでお蔵に放置されることになりました。
とあるゲームとの出会い
中学校一年生になった頃、私はある一つのゲームに出会いました。
それは、某神社の神主が作る某弾幕シューティングゲームです。
ゲームやキャラクターもそうですが、何よりそのゲームの「BGM」に惹きつけられてしまいました。
それからというもの、自分でもそんな音楽を作ってみたいと思い始め、パソコンに「Domino」という無料で使える音楽編集ソフトをインスコし、先のピアノを引っ張り出してきて、音楽の勉強と作曲を始めました。(ちなみに当時は野球部員であり、毎日のハードな練習や宿題の合間にやっていました。若さってすごいですね)
そして、二年生の時にギターを買って練習を始めました。
入部(ここからが本題です)
一年生
中学生のころから、高校に進学したら軽音楽部に入ることを決めていたので、入学後、迷わず軽音楽部に入部しました。
入部後しばらくは、「仮バンド」を組みんで課題曲を練習することで基礎的な演奏技術を身に着けます。これが実に楽しかった。仮バンドでは課題曲しか演奏しないため、そこまで難しい内容でもなく純粋に演奏が楽しめたのです。
そして、一年目の合宿が終われば自由にバンドを組んで自由な曲を演奏します。私たちの仮バンドはそのままのメンバーで活動したのですが、楽曲を決める際に揉め、一曲ライブで演奏しただけで解散してしまいます。
その後、その時は仲が良かったメンバーで2つ目のバンドを組むのですが、ここからバンドマンの洗礼を受け始めることとなりました。(私はギター)
一曲目は、陰陽座の「甲賀忍法帖」に決まり、各自練習してからスタジオで練習することになりました。
ところが...
私以外全く演奏できない状態でした。(ボーカル含む)
悲しいですね。
それとほぼ同じ時期に先輩から誘われて、先輩のバンドに加入しました。曲名は忘れたのですが、さっきと同じ流れでスタジオで練習することになりました。
先のこともあり私は大喜びしています。なんせ自分より一年間長く在籍している先輩とバンドを組むことで、先輩からはアドバイスも頂けるしまともに演奏できますもの...
先のバンドと全く同じ状況でした(ボーカル含む)
悲しいですね。
おそらく楽器を練習すると死んでしまうと思っているのでしょう。ただ、先のバンドと違いタチが悪いのが、人を誘って自分で曲まで決めてるんですよこれ...(先輩だし)
そんなこんなで一年生も終わりが近づき、完全にやる気がなかった私は、当時の三年生の卒業ライブもボイコットしました。(そもそも当時三年の部長とその周辺が嫌いだった)
二年生
二年生になってからはいろいろな人とバンドを組むようになりました。他校の方とバンドを組んで演奏するイベントにも参加するなど、積極的に活動しました。
そして二年目の合宿の時です。四日間の合宿の最終日には「成果発表ライブ(部内)」があるのですが、同級生がオリジナルの歌詞を書きたいと言っていたので、作曲兼ギタリストとしてバンドを結成し、参加することになりました。合宿から一か月前ほどにはデモ音源をバンドメンバーに渡して、各自練習と歌詞付けをするように伝えました。
ここまでお読みくださった方はもう嫌な予感がしているのではないでしょうか?
さあ一体、合宿が始まる何日前に歌詞が完成したのでしょうか...
成果発表ライブ当日の早朝でした。
悲しいですね。
しかも、作詞者(ボーカル)は歌詞のメロディーを全然覚えておらず、とても完成系とは言い難い出来でした。
合宿が終わってしばらくすると、その合宿で練習した音楽をバンドごとに録音します。しかし、合宿終了日から一週間以上時間があります。
だったらこの日までに歌詞の意味わからない部分を修正したり、曲を覚えたりできますね。
全く改善されていませんでした。
悲。
この曲を何とか形にするのに(なってない)とても時間がかかり、夜の九時を超えても学校から帰ることができませんでした。そして、その時の作詞作曲関係者、つまりそいつと私は顧問の先生に一時間ほどずっと説教されていました。(ちなみに顧問の先生はガチ勢でしたので、音楽に対する姿勢にはとても厳しい方でした)
もちろんですがそのバンドはすぐに解散し、また新しい道(n回目)を進み始めます。
そしてここから私の黄金の時代がやってきます。(右打ち!)
警察が高齢者向けに詐欺などの啓発運動をしており、高齢者の参加者を増やすため、府内の高校軽音楽部を集めて昭和歌謡を披露するというイベントに参加することになりました。
その時、一つ上のドラムがバチくそに上手かった先輩(そのバンドではボーカル)とバンドを組むことになり、リズムやノリ、ダイナミクス(強弱)などを徹底的に叩き込まれました。
また、その先輩とはとても仲が良く、その後も一緒にバンドを組ませていただくこともありました。
一つ上の代の先輩方がいる間は、先輩のバンドに参加させていただくことが多く(むしろあまり同期とは組んでなかった)、自分が吸収させていただくことが多くあり、とても充実した期間だったと思います。
そんなこんなで二年生も終わりました。
三年生
さあ、残り一年になってしまったのでこのまま黄金時代を満喫するぞ!
あれ?...
もうお気づきかと思いますが、私は三年生です。つまり一つ上の代は?
はい、卒業しました。(左打ちに戻してください)
ということで黄金時代は単発4Rで終了しましたがそれからも元気に活動しました。
三年生からは副部長(厳密にいうと、二年途中から)をしていました。
二年の部長を三年の副部長が支えながらやるという謎形態だったが、発言力的にもほぼ部長的なことをやっていた
同級生で一番上手かったドラムと一つ下の後輩たちとバンドを組んで、ボカロ曲やオリジナル曲を演奏したり、これはこれで楽しい活動をしていました。(周りができていなくても、後輩だったら優しく教えてあげればいいし、みんなやる気のあった子たちだったので)
しかし、三年生にもなるとやっぱりあるんですよね、外部の大会みたいな奴。
これは立候補制で、基本的に誰にでも参加権があったので僕もギターで参加することにしました。すると、今まで組んだことのない同期の人も参加しており、ほぼ初めてのメンバーで大会に出ることになりました。
で、
例のごとくバンドでの合わせの練習が始まるのですが、もう一人のギターが例のごとく練習してきませんでした。
いや、「例のごとく」というものを卓越していました。
どういうことかというと
コードを覚えてこない
パワーコードが弾けない
コードネームが分からない
そもそも音名が怪しい
といったものでした。(ギターとかやったことある人には伝わりやすいかも)
その場でどうにか繕いながら、録音審査を乗り切り、予選に出場することはできました。予選も絶対通るぞ!という気持ちでみんなが臨んでおり、一か月後に再び合わせで練習した際、
全く同じ状況のままでした
k。
やっぱり楽器を練習したら死ぬのでしょうか?早死にしそうで怖くなってきました。
さすがにバンド内でひりつき、というか顧問の先生が文字通りブチギレておりスタジオ内は地獄のような空気感でした。
その大会も終わり、役職も引継ぎした後、私は高校時代で最後のバンドを組みました。
何曲かやった後に新曲を書くことが決まり、私は張り切って、バンドメンバーに新曲を二曲も投げました。と同時に、曲を聴いて耳コピできない箇所や意見など、そもそも確認した旨を返信するように伝えました。しかし...
一週間、全く返信が来ませんでした。
k。
まあ仕方がないので(事情があるかもなので)早く連絡するように再度催促のメッセージを送信しました。すると...
返信は、誰一人、来ませんでした...
何がいけなかったんでしょうねぇ
私はそっとグループラインから退会し、バンドをやめました。
(劇終)
ということで、以上が私がバンドをやめた理由となります。
高校時代の出来ごとを面白おかしく伝えたかったのですが、読み返してみるとなんだか愚痴っぽくなってしまいましたね...(その意図は全くございませんのでご安心ください。というか、聖夜にごめんなさい。)
ただ、バンド以外でも、このような
最低限の準備をしておく
言動に責任を持つ
報告、連絡、相談をしっかりする
という基本的なことをしないといけないという戒めも含んでおります
特に自分に対して
ちなみに、バンドをやめたあとは、駆け出しのボカロPとして活動させていただいております。ぜひ、聞いていただけるとありがたいです。(連絡もいらないし音程も外さないし歌詞もメロディーも完全に覚えてくれるから最高)
前回のボカコレでは一瞬だけランキングに乗っていました。
とはいえ、軽音楽部に在籍してよかったこともたくさんあり、
PAの技術が少し身についた(先生がガチだったので)
音響理論が身についた
いい仲間と出会うことができた
などです。間違いなく一生消えない、いい思い出になりました。
ということで、ここまでで約4500文字となっております。
ここまで読んでいただいた方、ありがとうございます。
好きな音楽と音楽理論の雑談
まだ、尺が伸ばせそうなので、自分の好きな音楽の話でもしようかと思います。
すこーしだけ専門的なお話になってしまうので、わかんねーよって方は「へー」って感じで聞き流していただいて大丈夫です。
音楽に詳しい人は、アレでも投げてきてください、なんだっけ?あの金太郎が担いでるアレ、お待ちしております。
序章
まず、私が音楽にはまったきっかけになっている「東方project」について、
中学校でハマったって言ってたゲームですね。
今回はこれを題材にして少し話したいと思います。
まず、なぜ私が東方の音楽が好きなのか、今の私の観点から答えると、
「キャラやステージの雰囲気を音楽だけで絶妙に表現している」からです。
もう少し専門的に言うと
「スケール(やモード)の使い方が絶妙にマッチしている」です。
以下でkwsk説明していきます。
モード、スケール
スケールについては、Advent Calender 11日目のしゅがーくんのブログで説明してくれていたので、そちらもぜひご参考にしてください。
スケール(調)とは、曲で使われる音をまとめたものです。いわゆる
ドレミファソラシドですね。今後はこれらの音名を
CDEFGABC と表記いたします。
ちなみにこれは一般的にハ長調、Cmajorと呼ばれるスケールの構成音です。ピアノでいうと白い鍵盤全部ですね。(Cという音が主人公(ルート))
特徴としては、曲の終わりがCの音(和音、コード)で終わる。専門用語を用いると、トニック(主となる和音)がCであり、Cというコードを持って完全終止(パーフェクトケーデンス)するスケールです。
スケール上で使用されるコードは決まっており、すべてスケール内の音で構成され、スケールの一つの音からスケール内の音を一つ飛ばしで3つまたは4つ重ねてできます。ちなみにこの重ね始めた最初の音(ここでは一番低い音)をコードのルート、または根音と呼びます(スケールの主人公もルート)。また、3つの音でできたコードはトライアド、4つの場合はテトラッドと呼びます(セブンス・コードとも)。
(ここではテンションを省いて説明しています。)
根音になりうる音は7つあるので、トライアド、テトラッドはスケール内でそれぞれ7種類づつできます。またこれらをダイアトニックコードと呼びます。
ちなみに、曲中でスケール外の音を一時的に使用する場合もあります。
(ノンダイアトニック)
並行調
上記のメジャースケール(今回はCmajor)ですが、同じ構成音で、終始する音(コード)を変えてあげると、別のスケールが出来上がるという性質があります(並行調)。
Cイオニアン(メジャー) CDEFGABC
Dドリアン DEFGABCD
Eフリジアン EFGABCDE
Fリディアン FGABCDEF
Gミクソリディアン GABCDEFG
Aエオリアン(マイナー) ABCDEFGA
Bロクリアン BCDEFGAB
となり、これらはモードと呼ばれ、
その中でも、チャーチモード(教会旋法)に分類されます。
(⇑この辺のスケールとモードの定義の違いはめちゃんこややこいので省きます)
上から順番に聴いてみましょう
これらは全く同じ音(構成音)を使用しています。
しかし、ルート音の違いによって聞こえ方が大きく変わります。
例としては以下のようになります一回目はCイオニアン(メジャー)、
二回目はAエオリアン(マイナー)です。
二回目はなんだか暗く不穏な響きに聞こえますよね。
何度も言いますが、これらは全く同じ音(構成音)を使用しています
今度は、東方の曲を例に出してみましょう。
(0:23からのフレーズ)
これらのBGMではドリアンスケール(モード)が使われており、絶妙な雰囲気が作り出されています。ちなみに、ドリアンスケールはケルトやアイルランドの民謡などでよく使われます。そのため、我々が聞いたときに異国感というかより雰囲気を感じやすいんだと思います。
目を瞑って聴いてみると、騒がしくビルが立ち並ぶ都会...というよりは、草原が彼方まで広がっている大自然の光景が広がってきませんか?(音色によるが)
ここからは一人の東方ヲタクの勝手な妄想なのですが、(東方をご存じでない方、ごめんなさい。というか、東方をやれ。)発展した月の都から未開発の地上に降りてきた八意永琳の心情や(一曲目)、地底の旧都を通り抜けた後に広がる何もない溶岩の風景(二曲目)を表しているのではないかと考えています。
モーダルインターチェンジ
これまでは、スケール、モードについて説明してきましたが、曲の中一時的に別のモードのコードや音を使うときがあります。
よく聞く「転調」とは違います。
この行為をモーダルインターチェンジ(借用和音)と言います。
例えばこんなコード進行
C→G→F→Fm→C
ここで出てきたFmも構成音は、
F A♭ C
であり、
A♭というCメジャースケールに出てこない音が含まれています。
これはFmというコードをCエオリアンモード(マイナー)から一時的に借りてきたコードであり、これがモーダルインターチェンジ(借用和音)です。
(ジャズのアドリブ理論ではちょっと違う解釈だったりします。)
ちなみに⇑のFmの使い方をサブドミナントマイナーといいます。
すこーしだけ踏み込んだ話
ここで一つの東方BGMを例に出してみます。
(最初の8秒間について話します。)
まず、解説するにあたって必要な理論を簡潔に説明します。
今まで出てきたマイナースケール(エオリアン)は実は正式には
ナチュラルマイナー(自然的短音階)といいます。
マイナースケールにはあと2種類あり、
ハーモニックマイナー(和声的短音階)
メロディックマイナー(旋律的短音階)
です。(ここでは深堀しないです。気になったらググるか質問してください。)
そして、これら2つのスケールからも様々なモードに派生(ルートの音をずらす)し、これらが、チャーチモード以外のモードとなります。
そして、メロディックマイナーから派生したモードの中に
「エオリアン♭5(フラットフィフス)」というモードが存在します。そして、これが今回のカギになります。
先ほどの「少女さとり ~3rd eye」のコード進行を見ていきましょう。
(ここではわかりやすくするために、キーをAmに移調しています。)
(ガバガバ耳コピになっているかもしれませんが、ご愛嬌ということで。)
|Am|Dm/A → Am|Adim/F → Dm|E7|
(1小節ごとに|で区切っています。)
3小節目のコードに注目しましょう
Adim/F という見慣れないコードが存在しますね。
(本来はF7と詳記するべきなのでしょうが...)
「/」の後の音名は、なっている音の中で一番低い音を表しています。(深く考えないでね)
問題は、Adimの部分です。
このコードは「Aディミニッシュ」とよみ、構成音は
A C E♭
となります。
もうお気づきですよね。
本来、AmのキーにはE♭なんて音は入っていません(Amは全部白鍵(調号なし))
ということは、ここでモーダルインターチェンジが行われているということですね。
(場合によってはそうとは断定できない。というかできない)
ここで出てくるのがさっきの「エオリアン♭5」です。
一時的にエオリアン♭5にモーダルインターチェンジしているということです。
これによって、めちゃんこ不気味な雰囲気になっているというわけですね。
ちなみに、注意深くコード進行を見ていた方はもしかしたら気づいているかもしれませんが、もう一つスケールにない音が使われています。それは、
E7(構成音、E G♯ B D)の G♯ です。
これが、いわゆる先述のハーモニックマイナーです。
この曲は、この後にもエグいことを色々やってるので、興味のある方は聴きこんでみるのもいいと思います。というか聴け。
(劇終)
まとめ
お疲れさまでした。長々とごめんなさい。
実は、あまり顔が広くない自分が参加していいのかなという葛藤があったのですが、いろんな人と交流したいという気持ちが勝ったため、参加させていただきました。皆さん、特に当Advent Calendarを主催し、快く参加させていただいたくろまさん、本当にありがとうございました。私の記事に少しでも興味を持ってくれた方がいましたら、是非とも話しかけてきていただけると嬉しいです。
高専生活も残りわずかですが(計二年)、最後まで楽しんでいきたいと思っております。
あと、ゲームのBGMとか、言ってくれればお手伝いさせていただくので、もしよろしければこき使ってくれると嬉しいです。
それでは皆さん、長くなりましたが、
めりーくりすます
来年も良き一年をお過ごしください。では!